3才から20才までの【絵本・童話 3世代マルチストーリー】と【写真集】  ※注:当ウェブサイトはブローバンド環境での閲覧を推奨しています。




プロローグ 全文版
※この物語はフィクションです。

20才 の みらいみず

時は変わり、近未来、西暦2060年、春。

町はずれには乾いた山々や茶褐色に乾ききった道の風景。今や珍しくもない。
川を越えたずっと向こうまで真っ直ぐに並ぶ大木の桜。
根幹も太いせいか狭っ苦しくも感じられる桜並木、今や日本のどこにでもみられるごく当たり前の風景。
心無しか老木達の腕が灰色に見えるのは、気のせいだろうか。
しかし、見たことの無いネオピンクの桜花山脈。
風が吹けば激しいざわめきが聞こえ、呼吸しているが如く風船のように大きく膨らんだりもする。
またその立ち振る舞いは、ピンクのシルクを纏った象の大行進か飛び立つばかりのフラミンゴの大群かとも想像させる。
いやはや遠くの新緑の尾根が負けて見える。

一年の中で存在意思を伝えられるわずかな旬。
しかし、毎年同じ繰り返しのはずが・・・
この半世紀中の今年だけは何かが違っているように見えた。

人類の飛躍的な文明に対応できなくなってしまった自然環境。
人類は知恵をしぼるも欲望の渦を逃れられず、大自然も大海原も何か歯車が噛み合ない。
生態系も変わり、地球という過去の清楚な名の響きは、昔話を聞く時の感覚に似ている。
草や森や山、川も湖も海も、鳥や昆虫、動物や魚、そして人々。
「その時の環境に順応して」なんて後手々々な発想をしているうちは、
「未来に向け、人類は飛躍的な進化を遂げた」とは言いがたい。
まだ遅くはない。
最後の必要な鍵は「人類の飛躍的な意識の進化」なのか。
「子供が大人に変わるまでの時、周りがどのような環境(意識)で接するか。」
人類が地球という母にいつまでも甘え続けているのでは、結果は一目瞭然であろう。

不思議な自分
母の羊水という宇宙から、地球という世界へ生まれてきた私。
生命の連鎖により、授けられた命と意識。
そう、皆が必要としていることは分かっている。
ただ自分の見えている世界が狭いだけ。
どうやって意識を通じ合えば良いのだろうか・・・

不思議な世界
宇宙の気まぐれか、はたまたとある法則による必然の流れなのか。
いずれにせよ地球に奇跡の水をもたらした事は事実である。
熱くまぶしい太陽、冷たく静かな月、そして水に導かれし生命の宿る緑豊かな地球。
生命が水を欲するからこそ水は価値があり、渇枯した大地があるからこそ水の意味を考えるべきである。
そもそも みらいみず なんて必要なかったのだ。
でも今となっては意味が違う。シナリオが少し変わったのだ。
今この世界こそ みらいみず が必要である。

そして不思議な時
今日は明日ではない。しかし明日になれば今日。
人類の今日ある意識は、明日の意識なのである。

みらいみず よ 教えておくれ。
森へ通じ、空へ飛び、新たな世界を想像できるのは、この地球に選ばれしあなただけ。
教えておくれ。選ばれし私に。

(C)ぴこたんぐ 作者紹介tako kurageyumemibo


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